August 13, 2006
サイモン・シン「フェルマーの最終定理」
フェルマーの最終定理については、昨年触れたことがありますので、「最終定理って何?」というのはそちらをご参照のこと。=>「フェルマーの最終定理」
本書の感想は「素晴らしい!」のひとこと。
数式は最小限にしぼり、「フェルマーの最終定理」にとどまらず、数学一般の歴史を、飽きさせることなく紹介しています。
「数学は苦手で…」という向きにも、安心して読める良書。
改めて感じるのは、数学者というのはロマンチストの集団だということ。
彼らの根底には、数学的な「美しさ」への欲求があるわけです。
真理に直面して「美しい!」と感じるその姿は、下手な作家や詩人など以上に詩的で情緒豊かな人間を感じます。
「博士の愛した数式」でも、数学の美しさ、それを求める数学者の純粋さなどが描かれていたが、現実の数学者たちの生き様を紹介した本書は、さらに圧倒的。
まさに数字を操る魔法使いの世界が覗けますよ?
Posted by e_tacky at 22:14
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